認知症を学ぼう!認知症の主な症状、中核症状とは?

こんにちは、お疲れさまです!

認知症には色々な症状があるのは知っていますか?

今回は認知症の「中核症状」のさまざまな種類について

例題もまじえて紹介します。

認知症の症状の種類

認知症の症状は、

中核症状BPSD周辺症状に分けられます。

中核症状BPSD(周辺症状)
誰にでも生じる共通の症状。環境などの要因が二次的に生じる症状。
必ずといっていいほど現れる。必ず生じるものではない。

認知症の症状はドーナツ状に表すことができます。

以下で、さらに詳しく紹介したいと思います。

認知症と物忘れのちがいについてはこちら

知ってる?認知症と物忘れの違いは?認知症の何が問題?
超高齢化社会となっている今、認知症が問題視されているのはご存知でしょうか?認知症が原因で、生活上での混乱や周囲とのトラブル等いくつかの社会問題が発生しています。今回は「認知症」と「もの忘れの違い」認知症の「何が問題なのか」について紹介したいと思います。

中核症状について

中核症状(ちゅうかくしょうじょう)は…

誰にでも起こる共通の症状です。

中核症状は5種類にわけられます。

  1. 記憶障害
  2. 見当識障害
  3. 実行機能障害
  4. 失語、失行、失認
  5. 計算能力の低下

認知症の中核症状とBPSD

ドーナツの中心部分です。

以上の5つをくわしく見ていきましょう。

1、記憶障害

朝食

記憶障害(きおくしょうがい)は、

物忘れとは違い、病気の結果として忘れていく状態のことです。

記憶には

  • 記銘力(きめいりょく)
    新しい事を覚える力
  • 保持力(ほじりょく)
    覚えた事を記憶として脳に保持する力
  • 想起力(そうきりょく)
    過去に覚えた記憶を呼び起こす力

以上の3つがあります。

記銘・保持・想起

この3つの力が正確に働くと…

人は物事を覚えて記憶し、のちに思い出すことができます。

しかし、記憶障害がすすむと、3つの力がどんどん低下していきます。

認知症の場合、新しい記憶からなくなっていきます。

例えば…

食事したことを忘れてまた食事をもとめる

入浴したことを忘れて1日に2回入浴する

などという症状が見られます。

逆に昔の記憶は多く残っています。

例えば…

昔経験した戦中・戦後のこと

若くに結婚した時の心情など

こういった記憶は、きげんよく話してくれたりします。

2、見当識障害

見当識(けんとうしき)は、3つにわけられます。

  • 時間的見当識
    今はいつ?と時間をはあくする
  • 場所的見当識
    ここはどこ?と場所をはあくする
  • 人的見当識
    私、あなたはだれ?と人や状況をはあくする

これらの3つの力が低下することを見当識障害(けんとうしきしょうがい、または失見当識/しつけんとうしき)と言います。

時差ボケ

◎時間的見当識

時間的見当識(じかんてきけんとうしき)の例

例えば「今何時だろう」と思うとき、時間的見当識が働きます。

時間的見当識が働くことで、意識せず昼夜を見きわめています。

時間的見当識に障害があらわれると、昼夜がわからず混乱するといった状態が起こりやすいと言えます。

私の場合、仕事で夜勤をやっていたころ…。

夜は仕事なので日中睡眠をとります。

ある日、夕方5時に目を覚ましました。

すると、朝なの?夜なの?と混乱…。

海外旅行に行ったことがある人の場合、時差で混乱した人いませんか?

また、季節感にも障害がでてきます。

夏なのに暖房をつけている。

冬なのにうす着で外に出かけるなどです。

こういった場合は、周りがサポートする必要があります。

◎場所的見当識

場所的見当識(ばしょてきけんとうしき)は言葉のとおりです。

外出中、今いる場所がわからなくなるというものです。

認知症のひとつアルツハイマー病を題材にした映画を知っていますか?

「私の頭の中の消しゴム」では、場所的見当識にたいする表現がおおく使われていた気がします。

今いる場所がわからない…。

どこに向かっていたかわからない…。

などと、困惑する人を見かけたら、ちゅうちょせず声をかけるべきでしょう。

映画レビューをかいています。

ご興味ありましたらこちら

映画「私の頭の中の消しゴム」感想 認知症は老人だけの病気ではない
皆様お疲れ様です。 現在、超高齢化社会となっている今、 認知症が問題視されているのはご存知でしょうか? 今回は認知症の一つ、 アルツハイマー病にかかった女性のおはなし。 映画「私の頭の中の消しゴム」の あらすじ・感想を紹介していきたいと思います。 一言あらすじ:主人公スジンが若年性アルツハイマーにかかってしまう。 一言感想:難...



◎人的見当識

見当識障害

人的見当識(ひとてきけんとうしき)の例

自分の認識をうしなったり、家族や友人などがわからなくなる状態。

症状のどあいにもよりますが…

その人が全くわからない訳ではありません。

見覚えがある顔だと思っても、その人とどんな関係なのかが思い出せないのです。

見当識障害は、こういった混乱が日常的に、とても起こりやすくなっていくのです。

3、実行機能障害

記憶力が悪くなり、見当識も低下。

すると判断(はんだん)や決断(けつだん)することが難しくなってきます。

これが判断力の低下による、実行機能障害(じっこうきのうしょうがい)です。

例えば、食事をつくるためには…?

  1. 何をつくるか決める
  2. 買い物にいく
  3. 食材をえらぶ
  4. 買って家にもち帰る
  5. 料理工程にそってつくる

などなど…

たった一つの「食事をつくる」という作業の中に、たくさんの工程があります。

こういった順序立てが難しくなっていきます。

普段は当たり前にできていた「買い物や料理」ができなくなることで、自信をなくしてしまう認知症の方が多くいるのです。

4、計算能力の低下

計算能力(けいさんのうりょく)の低下は認知症のはじめから目立つ症状です。

認知症になると、数字に対する認知がはじめに失われていきます。

おばあちゃん 困った2

とくに計算能力の低下が目立つのは買い物です。

買い物で安いものを購入するとします。

小銭があれば、小銭を使用するでしょう。

しかし、計算能力が低下すると、お札を出しがちです。

例えばレジで

「825円です」と言われたら?

  • 500円玉:1枚
  • 100円玉:3枚
  • 10円玉:2枚
  • 5円玉:1枚
    または1円玉:5枚

小銭がある場合は、こんな感じでお金を出しませんか?

しかし、認知症の人は、どの小銭が何枚必要かという計算が難しくなります。

最初は小銭を出そうとするかもしれません。

でも…

  • レジでもたつくと後ろの人に怒られる
  • 待たせてしまうことに罪悪感がある
  • 店員に小銭がたりないと指摘される

このような心境・ストレスが何度もおこると自信をなくしていきます。

「考えるのがめんどうだから…」だけでなく、

「待たせるぐらいなら…」と、お札で支払う。

まわりの人の環境や心の負担を想い、お札を出すのです。

多く支払えば店員がおつりをわたしてくれますからね。

スムーズに品物を購入できたことに安心感を覚え、財布にはいつもお札を入れる人が多いようです。

5、失語、失行、失認

失語、失行、失認(しつご、しっこう、しつにん)は、脳の損傷(そんしょう)する部分に関係します。

まず、大脳は大きく4つに分けられます。

脳の役割

※イラストは自筆の大まかなものです。

脳にはそれぞれ、役割があります。

  • 前頭葉(判断・解決・行動の抑制・言語表出など)
  • 後頭葉(視覚など)
  • 側頭葉(言語理解・記憶・聴覚・嗅覚など)
  • 頭頂葉(運動・触覚・空間認識など)

脳が認知症や何らかの理由で働かなくなるとします。

働かなくなった部分によって、失語・失行・失認につながります。

ではもっとくわしく見ていきましょう。

◎失語

失語は、言葉を話そうとすると話せない状態です。

例えば…唇、舌、口の筋肉など、言葉を話すことに関わる器官は正常です。

しかし、話すことに関わっている脳の部分が機能しなくなっているのです。

おじいちゃん 失語症

失語には症状によって分類があります。

有名な失語症をふたつ紹介します。

ひとつめは

運動性失語(うんどうせいしつご)です。

運動性失語はブローカ失語ともいわれます。

理解力はあるので聞いた言葉はわかります。

しかし、なめらかに話せません。

常に言葉がつまるような状態です。

ふたつめは

感覚性失語(かんかくせいしつご)です。

感覚性失語はウィルニッケ失語ともいわれます。

理解力の障害がひどいため、聞いた言葉はわかっていません。

しかし、スムーズに話すことができます。

結果、意味不明な言葉になってしまいます。

以下の表に大まかにまとめて見ました。

 運動性失語感覚性失語
別名ブローカ失語ウィルニッケ失語
理解力理解できる理解できない
発語なめらかに話せないなめらかに話せる
状態言葉につまってしまう意味不明な発言をする

◎失行

失行は、行為ができない状態です。

例えば…手、足、それぞれの筋肉など体の機能は正常です。

しかし、脳の運動野という部分に障害がでてしまい、行為ができなくなっているのです。

症状としては以下のとおりです。

  • 服を着ることができない
  • 携帯電話を持ち上げることができない
  • 道具の使い方がわからない

失行症には症状によって分類があります。

有名な失行症をふたつ紹介します。

ひとつめは

観念運動失行(かんねんうんどうしっこう)です。

いつも自分でできる行為が、指示されるとできなくなる状態です。

例えば、施設に家族が来てくれたとします。

Aさんは家族の帰りに、いつも手をふって見送ります。

ある日、家族が帰ることに気づいていなかったAさん。

職員が気をきかせて…

「Aさん、家族が帰りますよ、手を振りましょう」

そう言われた瞬間、手をふれなくなってしまうのです。

ふたつめは

観念失行(かんねんしっこう)です。

動作をいくつか組み合わせて行う行為ができなくなる状態です。

例えば「歯をみがく」場合、以下の動作が必要です。

  1. 歯ブラシをとる
  2. 歯磨き粉をとる
  3. 歯ブラシに歯磨き粉をつける
  4. 磨く
  5. 口をゆすぐ

これらの動作すべて合わせて「歯をみがく」ということになります。

こういった組み合わせの動作ができなくなるのです。

そのため、「歯ブラシを手にとりましょう」「歯磨き粉をつけましょう」と順序立てて声かけを行う必要があります。

観念運動失行観念失行は、名前がにています。

しかし、症状としては全く逆です。

ケアをする場合は指示の間違いに気をつける必要がありますね。

◎失認

失認は、目で見ていることを脳が認識できない状態です。

例えば…目や視神経などの機能は正常です。

しかし、脳が目で見た情報を認知してくれないのです。

症状としては以下のとおりです。

  • 形や色がわからない
  • 誰の顔かわからない
  • 時計の文字盤がよめない
  • 音だけでは何の音かわからない
  • 身体の各部位がどこにあるかわからない

失認は視覚だけでなく、聴覚・聴覚・触覚・身体など、人によってさまざまな部位で起こるといえます。

失語、失行、失認の違いをまとめると以下のとおりです。

失語
  • 言葉が出てこない。
  • 言葉の意味を理解できない。
  • 運動性失語と感覚性失語がある。
失行
  • 服の着方がわからない。
  • 道具の使い方がわからない。
  • 観念運動失行と観念失行がある。
失認
  • 視力は問題ないのに、目の前にあるものが何かわからない。
  • 時計の文字盤が読めない。
  • 視覚・聴覚・触覚・身体などで症状があらわれる

まとめ

1、記憶障害
  • 新しい記憶からなくなる
  • 昔のことは覚えてたりする
2、見当識障害
  • 時間・季節がわからなくなる
  • 人の顔がわからなくなる
3、実行機能障害
  • 判断・決断ができなくなる
  • 料理などの順序立てができなくなる
4、計算能力の低下
  • 簡単な計算ができない
  • 小銭の計算ができない
  • お札で支払いをする
5、失語・失行・失認
  • 言葉が出てこない
  • 服の着方がわからない
  • 目の前にあるものが何かわからない

以上の5つが中核症状についてでした。

中核症状は、必ずと言っていいほど認知症の方にあらわれる症状です。

しかし、認知症とひとことで言っても、症状の現れ方には個人差があります。

ケアをする方は、症状の段階をしっかり見きわめて行動する必要があるでしょう。

ケアをする方も、認知症の方も、ひとりで無理はせずに、まわりの人と一緒に立ち向かってほしいですね。

そして少しでも「治る」治療法や、「効く」薬が開発されるのを待ち望むしだいです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

認知症と物忘れのちがいについてはこちら

知ってる?認知症と物忘れの違いは?認知症の何が問題?
超高齢化社会となっている今、認知症が問題視されているのはご存知でしょうか?認知症が原因で、生活上での混乱や周囲とのトラブル等いくつかの社会問題が発生しています。今回は「認知症」と「もの忘れの違い」認知症の「何が問題なのか」について紹介したいと思います。