映画 未来のミライ 感想。評価真っ二つ?!それでも私は嫌いじゃない

大人の方も学生の方も、その他皆様お疲れ様です。

7月20日、映画サマーウォーズバケモノの子を手がけた細田守監督の最新作が上映開始されましたね♪

あまり劇場には出向かないのですが、夏休みということもあり、見に行ってきました。

今回は映画「未来のミライ」の

感想と見たあとの個人的見解、考察を紹介したいと思います。

(C)2018 スタジオ地図

一言あらすじ:くんちゃんの夢見成長日記

一言感想:見る人の目線と子供の理解度によって感想が分かれます。

映画詳細

・監督:細田守
・制作:日本(2018年)
・上映時間:98分

・キャスト:
くんちゃん:上白石萌歌
ミライちゃん:黒木華
おとうさん:星野源
おかあさん:麻生久美子
謎の男:吉原光夫
ばあば:宮崎美子
じいじ:役所広司
青年:福山雅治

あらすじ

小さい木が立つ庭のある家に住む、4歳で甘えん坊のくんちゃんは、生まれたばかりの妹に対する両親の様子に困惑していた。ある日、くんちゃんはセーラー服姿の女の子と出会う。彼女は、未来からやってきた自分の妹で……。

シネマトゥデイ引用

細田守監督の前作

wikipediaより

細田監督はアニメーション監督であり、
演出(ジブリ、スタジオ地図)を行なっている。

〜主な作品〜
2000年「劇場版デジモンアドベンチャー 僕らのウォーゲーム!」
2005年「ONEPIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」
2006年「時をかける少女」
2009年「サマーウォーズ」
2011年「おおかみこどもの雨と雪」
2015年「バケモノの子」

作品へのこだわり

1、夏を象徴する入道雲を入れる

夏の象徴の入道雲は、もくもくと空高く上がっているのが印象的ですよね。どんどんと大きくなっていく様子と、主人公などのキャラクターの成長を表しているとのことです。


(C)2009 SUMMER WARS FILM PARTNERS

2、人物に影を書かない。

現代のアニメでは顔や体に、よりリアルな印象を与えるため立体的になるように影が絵が帰れています。

ですが、細田監督の作品は人物自体に影は入っていないのです。

理由は、浮世絵や絵巻物などの日本の伝統的なイラスト表現を使用しているから。

浮世絵は、影がなくても生き生きとした動きのあるイラストですね。

このように、影がなくても生き生きとした表現ができるのに、なぜ影を入れる必要があるのか、ということだそうです。

そして、影を入れる分の時間が必要ないため、人物を動かすという作業に時間を回し、さらに生き生きとした表現ができるというわけです。

3、実際にある場所や看板を入れる

より作品に入り込んでもらうために、実際にある場所やもの、看板を取り入れるというこだわり。

なんども現地に足を運び、看板の様子や道路の配置、壁の落書きまで忠実に再現しているとのこと。

例えば、映画「バケモノの子」の最初のシーン。キュータが家を飛び出し街をさまよい歩くシーンでは東京・渋谷のスクランブル交差点が忠実に再現されております。

そのほかの作品にもたくさん、実際の街並みが隠れていますので、探して見るのも楽しいかもしれないですね!

4、リアリティへの追求

リアリティへのこだわり、ということで、通常のアニメではまず行われない、斬新な試みが2つあります。

1つめは、本物の衣装を作ること。

本物のスタイリストが本物の衣装を作り、スタッフが来た様子を見ることで、よりリアリティのある動きが観察でき、そして表現できるとのこと。

2つめは、効果音も本物を使用すること。

バケモノの子のワンシーン、スイカを殴り割るシーンでは、本物のスイカを用意し、実際に割った時の音を使用しています。

食べる時の音も、実際にスタッフが食べるようるを録音したとのこと。ちなみに、スタッフは収録のため、1玉丸々食したのだとか…。

剣のさやが割れる音はカニの甲羅を割る音が使用されているそうです。

5、大きなテーマは家族

細田監督の作品の大きなテーマは家族。

これまでに作られた作品には、監督の実体験をもとに、様々な想いが込められ作成されているそうです。

バケモノの子」では、長野県上田市を舞台に家族の絆が表現されています。監督は40歳で結婚、奥様のご実家が大家族だったことを参考に、作品にしているとのこと。

おおかみこどもの雨と雪」では、親子の愛を表現しています。監督のお母様がなくなってしまった際に、最後に感謝の言葉を伝えることができず、その思いを込めて作品を作成したそうです。

育ててくれた母への感謝を伝える物語だそうです。

バケモノの子」では、実の親でけではなく、たくさんの人と出会い、成長してほしい、という想いが込められています。ちょっと変わった家族の絆が表現されています。

未来のミライ」では、監督の5歳になる子供さんが見た夢のお話を参考に制作されたそうです。

先日TVで特集が組まれていたのでまとめてみました。

監督の様々な経験、実際の出来事や場所などを使用しているからこそ、リアリティのある、感動作品を生み出せたのではないでしょうか。

振返りながら感想(少しネタバレ)

個人評価:★★★★(4/5)

まず、最初に、子供を嫌いな人は見るべきではないと思います。

なぜなら、こどものわがまま、行動の心理が理解できないため、イライラすると思います。

さて、この作品を見はじめて途中までは、どうやって作品が終わるのだろうと思いながらみていました。

冒頭は実に平和で、窓からまだかなぁと外を眺める主人公の男の子くんちゃんの姿。鼻息で窓ガラスが曇る様子はなんとも可愛らしい。くんちゃんは電車が大好きで、電車のおもちゃを広げて遊ぶ様子から。

家に一緒にいるのはおばあちゃん。おばあちゃんはおかあさんが帰ってくるまで面倒を見てくれています。

「ママと赤ちゃんが帰ってくるから」と、おばあちゃんがくんちゃんに片づけをお願いしていたはずなのに、片づけを忘れておもちゃを広げて遊んでいるくんちゃん。

子供あるあるですね。

興味が湧いたことには一直線で、頼まれたことはちょっとやってみるけど、目的を忘れて違うことをしてしまう。「何が1番優先か」というのがわかっていないから、子供って困ったものです。でもそれが愛らしい。

家はとても不思議な構造で、建築家のお父さんがつくったもの。お家の真ん中にはお庭があります。おばあちゃんが、部屋を片付けるため、「ゆっこと遊んでおいで」と、うながします。

くんちゃんが飼い犬ゆっこと遊んでいると、おとうさんとおかあさんが赤ちゃんを連れて帰って来ます。

くんちゃんは今まで家の中では、誰もが構ってくれるのが当たり前と思っていたけど、そこに突然現れた妹ミライちゃん

お母さんにくんちゃんはお兄ちゃんだから、やさしくしてね、大事だよ、とお願いされます。

ところが、ママは、ミルクだの、おむつ交換だの、赤ちゃん優先になり、構って欲しいくんちゃんは「赤ちゃん好きくない!」とダダをこねてわがまま。

兄・姉になった子供は、妹・弟の様子をみて赤ちゃん返りをするという心理現象が、実証されています。

この作品は、くんちゃんが赤ちゃん返りや、わがままがきっかけで、ゆっこと話せるようになったり、未来のミライちゃんに出会ったり、過去の母やひいじぃじに出会い、成長していくお話でした。

夢なのか、夢じゃないのか…。

タイムリープした先のキャラクターたちが色々なことを教えてくれて、くんちゃんは少しづつ学んでいく様子が挙げられています。

大人はくんちゃんが見た状況は夢、または幻想として信じないので、知らないうちに成長していくと思っている。

おかあさんは出産が2度目ということもあり、産休後すぐに仕事復帰予定。
おとうさんが在宅で仕事を行うようになる為、家事育児をおかあさんから習う様子。

お父さんは、今までは仕事ばかりで家事育児をほとんどしてこなかったため、ちょっとしたことでてんやわんや。

いい大人なのに、洗濯も掃除も、ご飯作ることも、何もかもできないものか?と、思うところはありましたが…。

実家では親がやってくれて、結婚を機に実家を出たら、奥さんに家事育児は任せっぱなし…ということなら、納得ですね。

何もできないダメダメなお父さんも少しづつ成長していく、家族が協力しあって、みんなが共に成長する様子を表現したかったんだろうな、と思いました。

ただ、それだけでは、山も谷もオチもない話になって今うので、タイムリープというかファンタジー要素を加え、過去や未来を織り交ぜて、ちょっと壮大にしてみた、という感じですね。

物語として、お雛飾りをしまう様子など、そのくだりは必要なんだろうか、とか思ってしまうような内容が多かった気がしました。

ただ、人から見たらどうでもいいことかもしれないことでも、当事者にとっては一大事なんですよ。

ミライちゃんにとっては、雛飾りを早く片付けることは過去のくんちゃんにお願いしてまででも、どうしても実行してほしい内容だった。

こどものわがままも、些細なことかもしれませんが、その子にとっては、世界がひっくり返るほどの衝撃で、だからこそ「どうしても叶えたい!」と怒ったり泣いたり、行動をおこすのでしょう。

どうしても思い通りにならないこと、無理なことを学び、大人になっていくんです。

こどもの頃、お花屋さんになりたいとか、パイロットになりたいとか、夢はたくさんあったはずの今の大人たちが、なぜ夢を追いかけ続けている人が少ないのか。

それは、成功するのは一部の人という『現実』を知り、諦めるということを学んでしまったからではないでしょうか。自分の人生を振り返ってドラマや映画になりそうなことって、そうそうないですよね。

だから人は趣味などで気持ちを発散したりするのではないかな、と思います。

今回の細田監督の作品は、時間の行き来という非現実的な要素は入れすぎというくらいたくさん込められていたのにも関わらず、現実的な要素(くんちゃんのわがままなシーンや、母が子供を起こるシーンなど)が多いこともあり、評価が分かれた原因のひとつではないかなぁと思いました。

ファンタジーに関しては、劇場ならではの臨場感ある表現は素晴らしいものでした。

急に水の中に吸い込まれるような表現など、吸い込まれるように別の世界に行く感じはすごくワクワクしました。

音質が良かったのか、座席が良かったのか、水の中で魚が自分の周りを回っているような音の表現、大きなモーターの音とその迫力は劇場ならではの良さでした。

東京駅での迷子のシーンでも少し考えさせられる表現。

家族がわからず、特別な列車に乗せられるシーンは、ファンタジーの中でも深層心理に語りかけるような表現で、くんちゃんが「未来ちゃんすきくない!」と言いながら、現実と葛藤する様子は、TVの「はじめてのおつかい」を観ているような気分にもなりました。

今回の作品をみて、「おおかみこどもの雨と雪」は以前はあまり好きではなかったのだけれど、大人になった今であれば、最後の別れのシーンはきっと涙するんだろうな。

この作品も、雨と雪も、見る人の立ち位置や今までの経験によって、感動の度合いは異なり、評価が変わるというのが、今では理解できる気がしました。

家族、子供っていいなぁとしみじみ思っちゃうあたり、私も年をとったのかなぁ…。

気になった点の考察など(ネタバレあり)

【未来のミライ】…??

まず最初に気になったのがタイトル。「未来のミライ」だからミライちゃんがどれほど重要なのかと…。

なぜくんちゃんの夢(幻?)に出るようになったのか、そこを問うともうファンタジー作品のほとんどが話にならなくなるので置いておいて…。

ミライちゃんは時空の案内人であって、ちょっとだけくんちゃんを叱る程度で、特に何をするわけではなかったので、タイトルにするほどでもなかったのではないでしょうか。「くんちゃんの成長日記」とかで良かった気がしました。

【ミライちゃんの大げさな手のアザ】

あそこまで大げさにしないといけなかったのか、少し疑問に思いました。作品の題材として、「どんな人にでもコンプレックスがあるんだ」ということを表現するのであれば、ミライちゃんだけでなく、お父さん、お母さんのコンプレックス部分ももう少し表現すれば、意味はでてきたのかなぁと思いました。

こどものくんちゃんが「未来のミライちゃん」と判断するには大げさにしないと信じないのかな…?

【愛犬ゆっこの心理】

くんちゃんの最初の夢として表現されたのが、人間姿のゆっこ。ゆっこは始め、この家の王子様だったのに、くんちゃんが生まれることで、一番ではなくなってしまい、嫉妬を覚えた、という表現。

ゆっこがわかりやすく伝えてくれているのに、こどものくんちゃんには全く通じていない様子が、ちょっと気の毒でした…。

ゆっこが言いたかったのは、優先順位が変わる、ということだったのかな。

【家の中心の木】

アメリカでは家系図は木で表現します。家の中心の木はファミリー・ツリーの象徴なんだなぁと。木を媒体にして、様々な夢を見れたのではないかなと思いました。

だからこの夢も木がみせてるんじゃないかなぁ…?

なんて思ったのですが、だったら、はぁばやじぃじの記憶があるのはおかしくないか?

ばぁばの実家に跡取りとして家を改築して住むことになったのならわかるのだけど、実家は新幹線に乗らないといけない遠いところなら、そっちが実家だろうし、木だけを持ってくるわけがない。

もし、裏設定として、実家の苗木を持ってきて、くんちゃんの家のお庭で育てたとかなら夢があるなぁと思いました。

そしてその木がくんちゃんに夢を見せ、今度はくんちゃんが大人になって、次の世代につながっていく、人は生き続けるって感じが、ジーンときました。

総評

レビューを見ていると、評判が悪いように感じますが、私はいい作品だと思いました。

母親っていうのは、好きで嫌われ役をやっているのではなくて、ダメなことをダメ!と叱って、その後なぜダメなのか、ということを子供がわかるように伝える時間がなく、過ぎ去ってしまうことから、結果嫌われ役になってしまうような気がします。

大きな山はないストーリー展開ですが、込められた想いというのはすごくたくさんある気がします。

大人の感情、こどもの感情、共に理解できる人にはすごく感動できて、暖かい作品ではないかと思いました。

「悪評が多いから見ない」のではなく、一つの作品として見てから評価してほしい作品です。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。